2026年夏のボーナス商戦が本格化しています。帝国データバンクの最新アンケート調査(2026年6月実施)によると、今夏の賞与は「増加」と回答した企業が昨年を上回り、支給額も前年比プラスとなりました。
しかし、その内実を紐解くと、業績回復を背景としたポジティブな増額だけでなく、深刻な人手不足や物価高騰に対応するための「防衛的な増額」、さらには企業規模による格差の拡大など、人事労務担当者が注視すべき動向が浮き彫りになっています。
今夏の賞与支給状況について、主要なデータは以下の通りです。
• 「増加」企業の割合: 37.1%(前年比3.4ポイント増)
• 平均支給額(正社員1人当たり): 47.7万円(前年比1.8万円増)
• 賞与「あり」の企業: 85.0%(前年比2.3ポイント増)
全体の8割以上の企業が賞与を支給し、そのうち約4割が昨年より増額しています。支給額の分布では「30万〜50万円未満」が約4割で最も多く、次いで「50万〜75万円未満」が約26%となっています。

今回の調査で最も顕著だったのが、大企業と小規模企業の格差です。
• 大企業: 「増加」と回答した割合は 44.4%
• 小規模企業: 「増加」と回答した割合は 31.4%
その差は13.0ポイントに達しており、前年よりも格差が拡大しています。大企業が業績回復やベースアップに連動して賞与を積み増す一方で、小規模企業では原材料費の高騰や価格転嫁の遅れが利益を圧迫し、増額に踏み切れない苦境が伺えます。

賞与を増額した企業のコメントからは、以下の3つのキーワードが見えてきます。
業績に関わらず、「人材流出を防ぐためにアップせざるを得ない(機械・器具卸売)」といった声が多く聞かれます。記録的な人手不足の中、他社に見劣りしない報酬を提示することが、経営継続のための必須条件となっています。
インフレが続く中、従業員の生活を守るための「インフレ手当」的な意味合いで賞与を増額するケースです。ベースアップ(基本給の引き上げ)が難しい企業が、一時金である賞与で調整を図る動きも見られます。
春闘等での賃上げ機運を受け、基本給の引き上げに伴って賞与の算定基準(基本給×〇ヶ月)が底上げされた結果、支給額が増加しているポジティブな要因です。
このアンケート結果を踏まえ、自社の賞与策定や従業員へのコミュニケーションにおいて意識すべきポイントをまとめました。
賞与を増やせた場合も、据え置かざるを得なかった場合も、その根拠を明確に伝えることが重要です。
• 増額時: 「会社として皆さんの生活と貢献を重視している」というメッセージを伝え、エンゲージメント向上に繋げる。
• 据え置き・減額時: コスト高騰や先行き不透明感(中東情勢等)など、具体的な経営環境を共有し、理解を求める。
中小・小規模企業においては、金額面で大企業に対抗するのが難しい局面もあります。その場合は、賞与以外の福利厚生、柔軟な働き方、評価の透明性など、独自の魅力を打ち出す「トータル・リワード(総合的な報酬)」の視点が不可欠です。
アンケートでは「中東情勢の悪化によるコスト増」を懸念し、夏は出せても冬は抑制の可能性があるとする企業が散見されました。夏の結果に一喜一憂せず、下半期の収支予測に基づいた慎重な原資管理が求められます。
2026年夏の賞与は「賃上げ機運」と「人手不足」が強く反映された結果となりました。人事労務担当者の皆様におかれましては、他社の水準を参考にしつつも、自社の経営体力と従業員のモチベーションのバランスをどう取るか、改めて戦略的な報酬設計を検討する時期に来ています。
お問い合わせ
株式会社エイコー セールスマーケティンググループ
Mail: eicoh-inside@eicoh.com Tel: 0120-506-815
東京本社 :〒105-0013 東京都港区浜松町1-30-5 浜松町スクエア3 階
大阪本社 :〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場2-5-2 エイコービル
名古屋支店 :〒450-0001 愛知県名古屋市中村区那古野1-47-1 名古屋国際センタービル20F
福岡支店 :〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神三丁目10-30 オフィスニューガイア天神4F
Copyright(c) Eicoh Co., Ltd. All rights reserved.