6月に入り、いよいよ本格的な暑さがやってくる季節となりました。昨今の異常気象により、職場における熱中症リスクはかつてないほど高まっています。
本記事では、厚生労働省から発表された最新の統計データ(2025年確定値)に基づき、現在の熱中症発生状況と、今夏に向けて企業が取り組むべき対策について解説します。
2025年(令和7年)の職場における熱中症による死傷者数(死亡者+休業4日以上)は、計1,803人に達し、統計開始以来、過去最多を記録しました。
• 激増する死傷者: 2024年(1,257人)から約43%の大幅増。2025年夏の平均気温が統計開始以来最高(平年差+2.36℃)だったことが大きな要因です。
• 死亡者数は減少: 一方で死亡者数は19人と、前年(31人)比で約39%減少しました。これは、2025年の法改正(労働安全衛生規則の改正)により、各事業場で重篤化防止対策が進んだ成果と考えられます。
• 業種: 「製造業(365人)」が最も多く、次いで「建設業(292人)」、「商業(237人)」と続きます。屋外作業だけでなく、屋内作業での発生も目立ちます。
• 年齢: 50歳代以上が全体の約52%を占めており、高齢層ほど重篤化・死亡リスクが高い傾向にあります。
2025年の死亡事例(19件)を分析すると、共通する課題が浮き彫りになります。
• 「休憩後の体調急変」: 休憩中に木陰で横になっていた際や、作業終了後の帰宅時に容態が急変し、発見が遅れるケースが散見されます。
• 「管理体制の不備」: 死亡災害のうち、「報告体制の整備・周知」ができていなかった事例や、「教育」が実施されていなかった事例が多数確認されています。
• 「持病の影響」: 糖尿病や高血圧症など、基礎疾患を持つ労働者が発症・重篤化するケースが約半数(9件)に上りました。
労働安全衛生規則の改正に基づき、事業主には以下の措置が義務付けられています。
気温だけでなく、湿度や日射量を取り入れたWBGT値を基準に対策を講じてください。
• WBGT基準値を超える(または超える恐れがある)場合は、作業の中止や休憩時間の延長を検討する。
• 休憩場所の確保: 冷房を備えた休憩室や、日陰で風通しの良い場所を確保する。
• 水分・塩分の備え: 労働者がいつでも水分・塩分を補給できるよう備え付ける。
• 健康状態の確認: 朝礼時だけでなく、作業中も頻繁に声をかけ、顔色や意識状態を確認する。
「倒れている人を発見した際、誰が・どこに・どう連絡するか」を明確にし、現場の全労働者に徹底周知してください。
熱中症の症状、予防法、応急処置について、管理職および作業員への教育を定期的に実施してください。
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