近年、人材確保や働き方改革の文脈で「週休3日制」を導入・検討する企業が急増しています。2025年度からは公務員制度でも導入が進むなど、官民を挙げた取り組みが進んでいます。本記事では、中小企業がこの制度を導入する際のパターンや、実務上の注意点をまとめました。
一言で「週休3日」と言っても、給与や労働時間の扱いで大きく3つの型に分かれます。自社の経営状況や業務内容に合わせた選択が必要です。
制度のタイプ | 概要 | 給与の扱い | 主な特徴 |
給与維持型 | 週32時間勤務(8h×4日) | 維持 | 生産性向上が前提。採用力が最も高い。 |
給与減額型 | 週32時間勤務(8h×4日) | 減額 | 育児・介護との両立支援に向く。 |
総労働時間維持型 | 週40時間勤務(10h×4日) | 維持 | 変形労働時間制を活用。コスト増を抑えられる。 |
特に若年層や専門職を中心に、「ワークライフバランス」や「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する傾向が強まっています。
• 採用力の強化: 「週休3日」は求人市場で非常に強力な差別化要因になります。
• 離職防止: 育児や介護など、ライフステージの変化による離職を防ぎます。
• リスキリングの促進: 空いた1日を自己啓発や副業に充て、社員のスキルアップを促せます。
「総労働時間維持型(1日10時間勤務)」を導入する場合、以下の点に注意が必要です。
• 体力・精神的負荷: 拘束時間が長くなるため、勤務間インターバルの確保が重要です。
• 育児・介護との整合性: 18時以降の勤務が必須となると、保育園のお迎えができなくなる等のミスマッチが起こる可能性があります。
「希望者のみの選択制」とするのが現実的です。
労働時間を短縮(週32時間等)する場合、残業代の単価計算や賞与の算定基準、退職金規定の見直しが必要になるケースが多いです。
また、大幅な減給を伴う場合は、社会保険の随時改定(月変)などの手続きも発生します。
「特定の日に会社が休み」とするのか、「交代制で休む」のかにより、顧客対応の難易度が変わります。属人化している業務を標準化し、
チームでカバーし合える体制づくりが不可欠です。
変形労働時間制の採用や休日数の変更を行う場合、就業規則の改定および労働基準監督署への届け出が必要です。
最近では、全社一律での導入ではなく、以下のような「部分導入」から着手する企業が増えています。
・ライフステージ(育児・介護中)に応じた限定適用
・希望者のみが利用できる選択制
・繁忙期を除いた期間限定の実施
生産年齢人口が減少する中、「働き手のニーズに合わせた職場づくり」は企業の存続に関わる重要課題です。週休3日制は、単なる休日の増加策ではなく、“多様な個性を活かすための戦略的選択肢”として、今後さらなる普及が見込まれます。
現在、国は働き方改革を推進しており、週休3日制の導入(労働時間の短縮や休日の増加)に対して「働き方改革推進支援助成金」などの支援策が用意されています。
ただし、制度設計を誤ると「一部の社員に負荷が集中する」「法的な割増賃金の計算漏れが生じる」といったリスクもあります。 「自社に合った制度はどれか?」「助成金の対象になるか?」など、具体的な設計については、ぜひ社会保険労務士などの専門家へご相談ください。
本記事の内容は2026年5月時点の法令・情報に基づいています。実際の運用にあたっては個別の確認が必要です。
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